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ひょう疽の痛みでコントローラーが持てなくなったお話[前編]

指の腹が化膿するひょう疽

左手小指の指の腹が破裂するゥ!程痛くなったのは4年前ののことでした。
ひょう疽」と呼ばれる、指先の軟部組織(指の腹)の感染症に罹ってしまったワケですが、外傷がなく、皮膚の表面にも赤みや腫れが確認しづらかったため、ひょう疽と診断されるまでに半年もかかってしまいました。
かかった病院は再発も含めると11件にも及びます。もはやひょう疽プロを僭称しても許されるレベルに達したと思っています。

当初は病名も付かなくて、日がな一日症状をググっては落ち込むという不毛な日々を過ごしておりましたが、同様の症状に苦しんでいる方々のブログにはとても助けられましたので、「此度はワシに任せい!」という気持ちで筆を取っております。

ブログカテゴリがゲームになっていますけど、まぁコントローラーも握れないくらいの痛さだったよということです。

ひょう疽とはなんぞや?

指の腹が細菌感染し、腫れて赤くなったり紫色になったりして、ズキズキと激痛が伴う病気です。患部が熱くなるのも特徴のひとつです。
痛さレベルは夜中にふとんから飛び起きて昇竜拳する程度というとわかりやすいでしょうか。

同じく細菌感染によって爪の周りに炎症を起こす「爪周囲炎」は膿が出てきやすいですが、「ひょう疽」は指の腹が特殊な構造になっているため排膿されにくく、痛み(圧痛)もハンパじゃありません。

ひょう疽になった原因(私の場合)

爪先の白い部分が完全に見えなくなるまでの超深爪状態で市民プールに行ったのが原因と思われます。
プールから帰ったあと、ビールをあおる左手の小指の先っちょがなんとなく痛痒い。
最初は蚊に刺されたのかな?と思っていましたが、何日経ってもよくならない。むしろ痛みが増してきている。あれ、腫れてきた?患部の熱も出てきたぞ?といった具合に徐々に奇妙に悪化していきました。
ひょう疽に罹ると急速に悪化する場合が多いそうですが、私の場合は激痛に変わるまで3ヶ月ほどかかりました。

そして病院へ…

ついに居ても立ってもいられなくなり病院へ向かうわけですが、当時の私はこの痛みが神経的ななにかからきてるんじゃないかと思っていたのです。
だってたいして腫れていないし、運動すると痛くなる。姿勢も悪いし(これは元から)罹患も長い。これは骨か筋肉の異常かな?と思い整形外科を受診しました。

ACT 1. 整形外科

症状を先生に説明すると、まずはレントゲンを撮りましょうということになり、手と首、胸郭のあたりを撮りました。しかし骨に異常は見当たらない。
次にMRI検査を受けましたがこちらも異常なし。

左手小指の指の腹は見た目に大した腫れもなく赤くもない。本人は痛がっているけど先生的には気のせいじゃないの?ということで「様子をみてください」の経過観察となりました。MRI高かったぜよ…。

ACT 2. 手外科

整形外科で経過観察となったものの痛みは引くどころか増すばかり。
夜な夜な症状をググっているうちに、手専門の外科があることを知ります。これで原因がわかるのではないか!と希望を胸に受診。
前回での診察結果を先生に報告し、今度はエコー検査を受けました。がっ!これまた異常なし。
やっぱり気のせいじゃないの?と二度目の「様子をみてください」をいただきました。

ACT 3. 総合病院の形成外科

様子をみろと言われても痛いものは痛い。痛む患部を庇ってコントローラーもおかしな持ち方になってきた。これではヘタっぴが加速してしまうではないか…!
そうだ、大きな病院に行けば治るだろうと安易な発想で向かった先は総合病院。 いまは紹介状がないと受診が難しい総合病院ですが、電話で経緯を説明したところ今回は受け付けてもらえることになりました。

経緯説明も慣れたもんです。饒舌に今までの診察結果を説明すると、血液検査をしようということになりました。
「数値に異常はないから炎症はないね。帰っていいよ。」
ええ!!嘘やん…三度目の様子をみてくださいですか?!

後々行くことになる皮膚科の先生に伺ったところ、患部が小さなひょう疽は血液検査で異常が出ないことも多いそうな。
まぁ忙しい総合病院にしょうもない症状で来るなよってことなんでしょうね。すごすごと肩をすぼめて帰ることになりました。

ACT 4. 休日夜間診療

三度目の経過観察から二週間ほど経過。すでに指はオーバーヒート。痛みはリミットブレイク。
お風呂後や寝る前、飲酒中(痛いのに飲むなよ)、運動後などの体温が上がる時間帯にズキズキジンジンする程度だったのが四六時中痛みが引かない。

さすがにこの激痛が気のせいのはずがないという確信に変わり、指の先っちょは赤いを通り越して紫色に腫れてきました。
おまけに親指や人差し指まで痛痒さが移ってきている…。
このままでは土日を越せない!おいしいビールが飲めない!!という切羽詰まった状況になり、夜間診療所に駆け込んだのです。

夜間診療所の内科の先生に、過去三度の診察内容や経緯を説明すると、「細菌が入っているんじゃないかなぁ。大多数は爪の周りに炎症が起こるんだけど、指の腹だけとは珍しいね。」と、ここで初めてひょう疽じゃないかという診断をいただき、フロモックスという抗生物質を7日分処方されたのです。

原因不明からようやくの脱出。やっと病名と薬も出た!私はホッと胸をなでおろしました。しばらくはお酒も控えて治療に専念です。

DU薬(だいたいウンコになる薬)

しかしこのフロモックス、あんまり効かねぇ…。
激痛が多少は治まってきたものの、腫れや患部の熱感は継続している状態でした。

のちに自分なりに調べてみると、抗生物質にはたくさんの種類があり、第3世代セフィム系に属するフロモックスは対応する細菌の数は多いけれど経口投与(飲み薬)だと消化管からの吸収がとても悪いとのこと。
皮膚への移行もよくないとされているようで、DU薬(だいたいウンコになる薬)と呼ばれていることを知りました。だいたいウンコって…!笑

ACT 5. 皮膚科

夜間診療所の先生から「薬が無くなったら皮膚科に行ってね。」とご指示があったので皮膚科に赴きました。フロモックスで完治はしていないけど激痛は治まっていることを伝えると新しい抗生物質を処方されます。
しかし!ここで私は最大のミスを犯すことになる…。

お薬手帳ですよ、みなさん。お薬手帳がとっても大事なんですよ…!!

結果的にこちらの皮膚科で処方された抗生物質はよく効いたのです。しかしお薬手帳を付けていなかった私は3年後のひょう疽再発に非常に苦しむことになる。。
効果のあった抗生物質の名称を失念してしまったんですね。くっ…ぬかったな!
皆さまにもお伝えできなくて大変申し訳ない。後編では服用した薬も詳細に記します。

抗生物質の効き方

ところでこの抗生物質ですが、飲んですぐに効いたわけではありませんでした。
抗生物質を飲み始めてから効果のある血中量に達するまでには48時間から72時間程の時間が必要らしく、最初の2日間はなんら変化がなかった。

飲み始めて3日目、なんと痛みが憎悪します。
しかし、快復する前に症状が一時的に悪化することは珍しいことではないようです。細菌が死滅する過程で組織に損傷を与える物質を放出することが原因らしい。イタチの最後っ屁ってやつですね。

なんやかんやで痛みが軽くなってきたのは服用5日目くらいからでしょうか。
それからはじっくりまったりと抗生物質が効いてきて、まったく痛みがありません!となるまでには3週間程かかりました。何度か通院し、抗生物質も同期間飲み続けました。

途中、小指の先に膿と思しき小さな膨らみが出てきたんですが、切開して排膿すれば早くに良くなるよと言われても、怖気づいて決断できなかったのが長引いた要因のひとつでしょうね…。

ひょう疽になったら気をつけたい6つのポイント

ひょう疽は再発も含めると1年近く罹患していました。過去には爪周囲炎でも足の爪を剥ぐこと2回。いずれもプールと海水浴が原因でした。
風邪はひかないけど細菌には滅法弱い著者から、ひょう疽と疑わしき症状が出た場合のアドバイスをお送りします。

  • すぐに病院へ行く
    ひょう疽の症状が出始めたら自然治癒はしないと捉えて早々に病院にかかるべしです。個人的に、内科を併設した皮膚科または形成外科、手外科の受診をおすすめします。
  • お酒は飲まない
    セフェム系抗生物質はアルコールの代謝酵素を阻害します。そもそも炎症に飲酒はご法度ですので完治するまでは涙をのんで禁酒しましょう。私は炭酸水にレモン水を入れ、お酒飲んでる風にして凌いでいました。
  • 患部を安静にする
    手や足はどうしても使ってしまいがちですが、極力患部への刺激は減らして安静にしましょう。
  • 激しい運動と長時間の入浴を控える
    血行がよくなると炎症の症状が悪化します。痛みがある時は激しい運動を控え、入浴もシャワーで済ますと痛みの極ウェーブを避けることができました。
  • 激しいゲームを控える
    FPS、TPSのエイム時、指の力がMAXになるヘタくそな私は、ゲームで指の腹にだいぶ負担をかけていたと思います。
  • 深爪をしない
    これは予防も兼ねてですが、深爪をすると毛細血管が集積する部分「爪床」が露呈してしまい、細菌が入り込みやすくなってしまいます。今は爪の白い部分を1~2ミリ残して切るように心がけています。

かくしてようやく治癒したひょう疽ですが、完治から3年後に再発することになります。ああ無情…。
次回は後編をお送りします。

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