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ILLUSTRATION

失敗談から学ぶ!イラスト制作でやってはいけないデザインまとめ

イラスト制作の失敗談

イラスト制作の仕事でやってしまった数々の失敗…。
気をつけているつもりでも、間違った知識が原因で大きな過ちを引き起こしてしまうことがあります。今回は著者が実際にしでかしてしまった失敗を元に、商業イラストを制作する上でやってはいけないデザインと起こりがちなミスについてまとめました。

これからイラストの仕事を始めたいと思っている方はもちろん、現在活躍中のイラストレーターの方にも確認の意味を込めてご覧いただければと思います。

権利関係は要チェック!

イラスト制作において、もっとも注意すべきは著作権関連のミスです。
権利関係をおざなりにすれば、著作権法違反で訴えられてしまうこともあるのです。

キャラクターイラストの制作では素材やフォントを借りたり、マークを使用する場面が数多くあります。
これらを使用する際は、必ず使用可能範囲を確認し、権利者に迷惑をかけないように心掛けることが肝要です。

素材の使用

また、イラストを発注したクライアント側がフリー素材の使用を禁止または制限しているケースもあります。素材を使用する際は利用規約だけでなく、クライアントにも確認を取るようにしましょう。

衣装に使用するパターン素材の利用規約

キャラクターイラストの衣装デザインでは、デニム地や花柄、和服であれば和柄のパターン素材を取り入れると、よりリッチでリアルな表現が楽しめます。
フリー素材を配布しているサイトは数多くありますが、忘れてはならないのが素材の利用規約です。

商用利用と個人利用

クライアントから依頼されたイラストに素材を使用する場合は「商用利用」に該当します。
使用したい素材は商用利用が認められているか、また、商用利用が可能でもNGとして挙げられている条件に該当していないか、など使用可能範囲をよく確認する必要があります。

素材の改変の可否

キャラクターの衣装にパターン素材を取り入れる場合、素材を拡大・縮小したり衣装のシワに合わせて歪ませたりと、素材に「加工」を施すことになります。また、衣装に合わせて素材の色調を変えることもあるでしょう。
利用規約にてこれら素材の加工がOKとされているかどうかも必ずチェックするようにしましょう。

R-18作品に使用する場合は要注意

R-18作品に素材を使用する場合は注意が必要です。
素材配布サイトでは、R-18作品に対する使用を制限しているケースが非常に多いです。
たとえ制作するキャラクターイラストにアダルト要素がなくても、キャラクターが組み込まれているコンテンツがR-18作品であった場合はアダルト要素ありとみなされます。

悪質な素材配布サイトにご用心!

著者がまんまと引っかかってしまったパターンですが、要注意なのは他人の素材を再配布禁止とされているにもかかわらず、あたかも自分の作品かのように扱ってパブリックドメインで素材を配布しているような悪質サイトです。

このような悪質サイトには、利用に関する条項が無記載であったり、広告の数が尋常でなかったり、リンク先のドメインが異なっていたりと、どこかしら違和感を感じる要素があります。

怪しいな…と感じたら、Google画像検索で使用したい素材を検索してみると、本当の素材の持ち主の正式なWebサイトが見つかる場合があります。

家紋にも使用許諾が必要?!

コンテンツ業界に入って間もないころ、戦国武将のキャラクターイラストを制作することなりまして、鎧のデザインに家紋を入れようと考えました。
ネットでそれぞれ武将の家紋を調べていましたが、伊達政宗公の家紋を検索してビックリ!
伊達家家紋「竹に雀」紋は商標登録されていたのです。

商標登録された家紋

当時の著者は恥ずかしながら、家紋が商標登録されていること自体に考えが及んでいませんでした、反省しております。
家紋もそうですが、なんらかのマークの使用を検討する際はライセンスの確認が必要です。

赤十字マークの取り扱いを理解しよう

ファンタジー世界を題材にしたゲームでは、回復系ユニットと呼ばれる傷を手当したり補助系呪文を使用するキャラクターが登場しますよね。
キャラクターデザインで赤十字マークを取り入れる。無意識のうちに回復のイメージとして連想しがちではありますが、誤用すると法律上アウトとなります。

赤十字マーク、またはそれに類似したマークはみだりに使用してはならないという法律があるからです。

第一条
白地に赤十字、赤新月若しくは赤のライオン及び太陽の標章若しくは赤十字、ジュネーブ十字、赤新月若しくは赤のライオン及び太陽の名称又はこれらに類似する記章若しくは名称は、みだりにこれを用いてはならない。
昭和二十二年法律第百五十九号
(赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律)

著作権法や商標以外にも法律上の取り決めがあることを念頭に置きながら、その都度使用の可不可をチェックする必要があります。

特定の宗教や政治を彷彿させるデザインはタブー

法律や条例のように明確な規制があるわけではありませんが、特定の宗教や政治を彷彿とさせるデザインは基本的にタブーとされる場合が多いです。例として十字架や卍マークなどが挙げられます。

特定の宗教や政治を彷彿とさせるデザインは基本的にタブー

これらのマークをデザインに取り入れたい場合は、依頼者(クライアント)とよく相談し、使用した場合のデメリットも理解した上で表現しましょう。

CCライセンス

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」より

海外の素材配布サイトを利用したいけど言葉がわからない、という場合でも、マークひとつで使用範囲を判断できるのがCCライセンスの利点です。6種類のCCライセンスマークを正しく理解して制作の幅を広げましょう。

ほかにもこんな失敗が…

権利関係の過ちは正しい知識により防ぐことができますが、PCが壊れる、メールが届かないなど、仕事に支障をきたす不具合が突然起こる可能性もあります。
こうした不具合やエラーに備えて予め対策し、被害を最小限に抑えましょう。

突然PCが壊れた!

「PCがフリーズしたまま元に戻らない!」「データがクラッシュした!」「PCに残しておいたクライアントの連絡先がわからない!」なんて青ざめた経験はありませんか?

PCが壊れた!

PCが壊れたのであれば、修理に出すかパーツを交換するか相応の対処をしないといけませんが、HDDに残したデータが復旧する保証はありません。このような緊急時、依頼を引き受けている最中であれば、まず先にその旨をクライアントへ報告しなければなりません。

万が一に備え、制作データやアドレス帳はクラウドで一元管理する、定期的にバックアップを取るなどして、別の端末からもアクセスできるようにしておけば安心ですね。セキュリティ対策も抜かりなく行いましょう。

メールが届かない!

メールを送ったのに相手に届かない、Web上のやり取りのみで進行するイラストの仕事において致命的なメールの送受信エラーは、主に下記のような原因が考えられます。

  • 容量の大きいデータを添付して送っている
    2MB以上のデータ添付は避けましょう。
  • メールがスパム判定されてしまった
    スパム判定されやすいフレーズや記号は使用しないようにしましょう。
  • 受信者のメールボックスの容量が許容値を超えている
    受信者側で対処してもらいましょう。
  • メールサーバに障害が発生している
    サーバダウンのアナウンスが更新されていないかチェックしましょう。

いずれもエラーメール(メールの送信ができなかった場合にメールサーバーが自動的に返信するエラー原因が記載されたメッセージ)が返ってきていれば対処可能ですが、送信できていないのにエラーメールも返らない場合は不達に気づきようがありません。

メールを送って2営業日以内に相手方からレスポンスがない場合は、別の手段で連絡するようにしましょう。

他にも、文字化けなどのエラーも避けなければいけません。
フォントや文字コードの設定を見直し、HTML言語になっていないか、機種依存文字と半角カタカナは使用していないかを確認するようにしましょう。添付ファイルも同様です。

色が再現できない!

ソシャゲイラストの仕事ってどうやるの?仕事の流れを解説します![前編]でも触れていますが、イラストの納品形式にPSDを使用している場合、ペイントソフトとPhotoshopとで互換性のない機能を使用すると、双方で色合いなどが正しく表現されないケースがあります。

Photoshopのバージョン違いでも同様のエラーが起こることがありますので、使用するペイントソフトと納品時の環境にも配慮するようにしましょう。

おわりに

イラスト制作の失敗もろもろをまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
仕事に失敗はつきものですが、知識があれば防げることも多いものです。
特に権利関係は後々大きな問題へと発展してしまう恐れがあります。その都度調べる癖をつけてトラブルを回避してください。

また著者の失敗ノウハウがたまりましたら第2弾をアップさせていただきたいと思います(笑)。

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